Lyrics One


木枯らしの吹く頃」

 

木枯らしの吹く頃 街灯の向こう
路地裏で震える野良犬の遠吠え
行くあてもないならここに居ればいい
せめて夜が明けて道を照らすまでは

 

もう少し傍においで
あの日と何ひとつ変わらないなら
諦め捨てた夢に抱かれて朝まで眠る

 

窓硝子叩いて暗闇の向こうに
腹ペコの真冬が座り込んでいる
爪先まで冷えて眠れないのなら
もっと熱い愛で抱き締めてあげよう

 

もう少し素直になれば
あの日の過ちに気付く筈
諦め捨てた夢の欠片を拾い集めて

 

木枯らしの吹く頃 街は息を潜め
アスファルトの上で愛が胸を焦がす
街路灯の下で落ち葉に埋もれてた
思い出を今さら掘り返さないでくれ

 

もう一度やり直そうか
あの日と同じ道を辿れば
諦め捨てた夢に手が届くかもしれない

 

「冬の時代」

 

凍て付いた空に星は溢れ

蒼褪めた月が輝いても
心閉ざした虚ろな眼は
道を見出すこともない

 

吐き出した息は凍りついて
言葉にさえもならなかった
悴んだ指の間から
零れ落ちて行く俺の愛が

 

冬の時代の中で新しい年を迎え
冬の時代の中で行く年を見送るだけ

 

剥き出しの赤い土の下で
森の緑は死に絶えて行く
川の流れは血に染まって
海岸線も形を変えた

 

朝陽の中を空に向かい   
羽ばたいて行く海鳥たちよ
遠い宇宙の果てまでも
安らぎを求め飛ぶがいい

 

冬の時代の中で新しい年を迎え
冬の時代の中で行く年を見送るだけ

 





「くさっちまうぜ!」

 

白茶けた真昼の光さんさん浴びても
心の奥は凍り付いて気分はまだ最低
調子はどうだい
あれからうまく行ってたら
教えてくれよ今すぐ

 

街角に立ち留まって排気ガスを吸い込む
頭の中は空っぽで気分はまだ最低
調子はどうだい
あれからうまく行ってたら
教えてくれよ今すぐ

 

苛々するばかりで
何にもいいことなんてない
くさっちまうぜ!

 

しゃがみ込んだ路肩に溢れ出した気怠さが

身体中にへばり付いて気分はまだ最低

調子はどうだい

あれからうまく行ってたら

教えてくれよ今すぐ

「この町」

 

この町のことを忘れないように
夕焼けの赤い色を覚えておいて

この窓から向こう山の景色を

一番星が光る空の澄んだ色のことを

 

いつの日か大人になって

家を離れて行く時も
この町のことを忘れないように

 

この町にはいつも光が溢れ
草や木の青い色が輝いていた

ポケットいっぱいに夢を膨らませ
息を弾ませて坂道を

駆け上った日のことを

 

何もかも変わってしまい

遠く離れて行く時も

この町のことを忘れないように

 






「そら色真冬」

 

お天道様しかめっ面でご機嫌斜めさ

君さえまでも釣られちまって

何だか怒りっぽい
今日は朝から何故か

こんな最低な雲行きなの

 

風が吹けば身も凍える乾いたこの世界
襟を立ててそっぽ向いてる君は明らかに
退屈そうないつもの癖
見え透いた笑顔浮かべて

 

遠くを見てるふりの君が
背中丸めて震えていても
なんだか急にシラケっちまって
雲の切れ目から覗く空色真冬

 

お天道様しかめっ面でご機嫌斜めさ
君さえまでも釣られちまって

何だか怒りっぽい

 

「一日が終わるまで」

 

晴れた午後はいつもの店で

お気に入りのお茶を飲みながら
窓の外の街並みを
ただぼんやりと眺めているだけ

 

一日が終わるまで
心穏やかに過ごして
人知れず埋もれ行く
ほんの些細な出来事に
目を見張る子供のように
いつも世界中が語りかける
言葉に耳を澄まそう

 

空に浮かぶ雲を見つめてると
なぜか悲しくなるような
晴れた午後はいつもの店で
お気に入りの歌を聴きながら

 

一日が終わるまで
心穏やかに過ごして
陽が西に傾けば
君の待つ家へ帰ろう

 





「ララバイ紅葉坂」

 

今日からはしばらくの間

君に会うこともない
お互いに違う道を今

歩き始めるから

 

君の背中に夕焼けが

眩しく輝いていた
長い影を踏んで

この場所から遠ざかって行くよ

 

今日までの思い出を綴る

本は表紙を閉じて
住み慣れた町を離れても

心に刻む言葉

 

夢の世界の合鍵は

大切に胸のポケットに
しまい込んでおくよ

いつか巡り合う日まで

 

石畳の上も今は夏の陽が落ちて
行き交う人影も幻

ララバイ紅葉坂

 

気がつけば風は向きを変え

微かな潮の香り
立ちすくむ僕の足元を

八月がすり抜けて行く

 

時の流れにまたひとつ

年を重ねて行くのだろう
たぶん君に会える

この坂を上って来る

 

石畳の上も今は夏の陽が落ちて
行き交う人影も幻

ララバイ紅葉坂

 

「一番列車のブルーズ」

 

遠い空から吹く風に

遠い昔のこと思い出して
雪の原野を突っ走る機関車に乗って
僕は機関車に乗って

 

しゅっしゅっぽっぽ
しゅっしゅっぽっぽ
しゅっしゅっぽっぽ 
ぽっぽー

 

きっとあなたの心にも
きっと届くはずこの熱い想い
雪の原野を突っ走る機関車に乗って
僕は機関車に乗って

 

しゅっしゅっぽっぽ
しゅっしゅっぽっぽ
しゅっしゅっぽっぽ 
ぽっぽー

 

黒い煙吐く憧れのブラック
光るレ−ルは地平線の果て
雪を蹴散らして突っ走る機関車に乗って
僕は機関車に乗って

 

しゅっしゅっぽっぽ
しゅっしゅっぽっぽ
しゅっしゅっぽっぽ 
ぽっぽー

 




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